下肢静脈瘤外来のご案内
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当院の下肢静脈瘤外来について

当院は“下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術(レーザー治療・ラジオ波治療)の実施基準による実施医を有する実施施設”です

当院では、より質の高い診療を行うため、特定の疾患や症状について、各外来担当医がそれぞれの精通した専門分野をふまえて、専門的な診断・治療をする専門外来を併設しています。兵庫医科大学 形成外科 西本教授の連携のもと、院長 石井を中心にエコー、CT等の最新の医療技術を駆使し、低侵襲の治療に努めています。
また、医師、看護師、コメディカルスタッフ達との連携と協働によるチーム医療を行い、患者様の幅広いニーズに対応しています。

下肢静脈瘤外来の受診は、原則予約制です。予約当日に問診から検査まで終了し、診断・治療方針を決定します。

下肢静脈瘤のメカニズム

図1 足の主な静脈

足には、動脈と静脈という血管が走っています。動脈はきれいな血液を上から下へ運びます。静脈は、動脈とは反対に、不要になった血液を下から上へ運びます。

下肢静脈には筋肉の中を走る「深部静脈」と皮膚と筋肉の間を走る「表在静脈」があり、静脈瘤ができるのは皮膚に近い伏在静脈と呼ばれる表在静脈です。(図1参照)


図2

下肢の静脈には血液が重力によって足先へ逆流しないように弁がついていますが、それらの弁が壊れると血液の逆流が起こり、うっ血が生じて血管の拡張や蛇行することによりコブができます。これが下肢静脈瘤です。(図2参照)

壊れた静脈弁は、再生することはありません。だるい、むくむなどの初期症状から始まり、血管がめだってくる、夜中に足がつる、かゆくなる、そして、色素沈着、潰瘍という症状にまで発展します。初めのうち、ほとんどの人は自覚症状を持ちません。だるい、むくみといった日常的な症状が、実は足に血液が溜まり、静脈弁に負担がかかっているという警告なのです。つまり、下肢静脈瘤の初期症状だということです。

下肢静脈瘤の種類

下肢静脈瘤は、4つに種類分けすることができます。

伏在静脈瘤
伏在静脈瘤
最も大きな静脈瘤です。足を通る静脈の本幹となる「伏在静脈」が、こぶのように膨らんだ状態をいいます。
側枝静脈瘤
側枝静脈瘤
伏在静脈瘤よりも細かいことが多いです。伏在静脈瘤が枝分かれした、さらに先の部分が膨らんだ状態をいいます。膝から下の部分によくみられます。
網目状静脈瘤
網目状静脈瘤
直径が2~3ミリの静脈瘤で、ヒザの裏によく見られます。青色をしています。
クモの巣状静脈瘤
クモの巣状静脈瘤
直径1ミリまでの細かい静脈瘤で、青色か赤色をしています。

下肢静脈瘤の主な症状

あなたの静脈瘤チェック

1つでも当てはまる項目があったら、下肢静脈瘤を疑いましょう。まずは、自分の足をよく観察しましょう。
 見た目が気になる(こぶがある、血管が透けて見える等)
 足が痛い
 足に熱感がある
 足が重い、だるい、疲れやすい
 足のむくみ、腫れがある
 足のこむら返り、けいれんが起きる
 足にかゆみ、湿疹がある
 足に色素沈着、潰瘍がある
 親族にも下肢静脈瘤の人がいる
 立ち仕事をする職業である

検査について

臨床検査技師による「超音波検査」

下肢静脈瘤では血液が正しい方向に流れず逆流を起こしている状態ですので、この検査では血液の逆流の有無を調べます。 ボコボコとこぶになるタイプの静脈瘤が起こりやすい伏在静脈を検査しますので、足の付け根から足の内側を通り内くるぶしの方へかけてと、膝裏からふくらはぎの後ろ側を通り、かかとにかけて診ます。

当院の臨床検査技師が、2015年11月
“血管診療技師”に認定されました。

ミルキング(下肢の圧迫)により逆流が認められる
ミルキング(下肢の圧迫)により
逆流が認められる

放射線技師による「3次元CT検査」

16列マルチスライスCTによって撮影されたデーターを3次元画像に再構成するものです。
造影剤なしで表在(大・小伏在)静脈の走行や拡張の程度、形態評価が可能です。
※痛みや薬のアレルギーの心配は不要です

16列マルチスライスCT
画像を駆使した大伏在静脈瘤の一例

下肢静脈瘤の手術の紹介

レーザーよりも新しい!血管内焼灼用高周波(ラジオ波)治療

平成26年6月より下肢静脈瘤に対する高周波(ラジオ波)を用いた血管内焼灼術が保険適応になりました。
当院では、平成27年5月よりこの新しい技術を東播、明石地区においていち早く導入し、治療を開始いたしました。

下肢静脈瘤の高周波(ラジオ波)治療機器(COVIDIEN社製)

下肢静脈瘤の高周波(ラジオ波)治療機器
(COVIDIEN社製)

血管内焼灼用高周波(ラジオ波)治療とは、下肢静脈瘤の治療としてアメリカで多く実施されている治療法の一つで、世界で100万件以上の治療実績があり、日本では、平成26年6月より保険適応となりました。
東播、明石地区では、当院が最初にこの治療法を導入しました。

手術方法は、従来のレーザーを用いたカテーテル治療とほぼ同じですが、体への負担は更に少なくなっています。皮膚に開けた小さな開口部から高周波アブレーションカテーテルを静脈内に挿入し、カテーテルから放出される熱により静脈壁を収縮させ、静脈瘤を閉塞させてしまう治療法です。治療時間は麻酔を含め60分程度です。
麻酔は原則全身(静脈)麻酔や局所麻酔で行いますが、日帰りを含む短期滞在手術です。

1.カテーテルを静脈に挿入する  2.カテーテルから熱エネルギーを放出し静脈壁を収縮させる  3.③カテーテルを抜去し静脈壁が静脈を閉塞させる

血管内焼灼用高周波(ラジオ波)治療 のメリット

(1) 日帰りを含む、短期滞在手術が可能です。
(2) 傷跡が一か所ですみ、跡がほとんど残らず目立たない。
(3) 治療時間は、麻酔を含めて60分程度です。
(4) 従来のレーザー治療と比べて術後の痛みが少なく、皮下出血の量も少ない。
(5) 保険が適応されるので、費用が安い。

当院は“下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医を有する実施施設”です

下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施施設 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医
下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医及び実施施設

下肢静脈抜去切除術(ストリッピング術)

これは静脈の弁不全が原因となっている、伏在静脈瘤に対する根本的な治療として伏在静脈本幹を取り除く手術です。
麻酔は原則全身(静脈)麻酔や腰椎麻酔で行い、日帰りを含む短期滞在手術です。

原則、皮膚を2カ所切開して、静脈瘤のある伏在静脈にワイヤーを挿入し、静脈とワイヤーを結んでから、ワイヤーを引き抜くことによって静脈を一緒に抜き取ります。
ストリッピング術にて取り出された大伏在静脈

下肢静脈高位結紮(こういけっさつ)術

下肢静脈高位結紮(こういけっさつ)術

原則、高位結紮術は、大伏在静脈瘤では図のごとく、足の付け根で血管をしばって血流を食い止める手術ですが、現在では実施件数は少なくなっています。
一方、小伏在静脈瘤では逆流部分を結紮・切離し、現在でもよく行われている手術です。
麻酔は原則、局所麻酔の日帰りを含む短期滞在手術です。

硬化療法

硬化療法は静脈に硬化剤を注入し、静脈瘤をつぶしてしまう治療法です。硬化剤は血管の内側をくっつける糊(のり)のような働きをします。血液が 流れなくなった血管は徐々に退化し、そのうち静脈瘤は消えてしまいます。弁が壊れ、働かなくなった不用の静脈を硬化させるのですから、血管が閉塞・退化することによるデメリットはまったくありません。硬化療法は注射するだけで済むため、患者様にとって負担の少ない治療法です。
ごく軽度の静脈瘤(網目状静脈瘤など)や特殊な形態の静脈瘤には有効ですが、通常の静脈瘤では再発率が高く効果的ではありません。しかしながら、上記3つの手術後に併用する治療法としては有効です。
原則、局所麻酔の日帰り手術です。

保存的治療 (弾性ストッキング)

取扱商品の一例
取扱商品の一例

弾性ストッキングの使用は、運動、マッサージなどの生活習慣の改善とともに、静脈瘤の予防、悪化の防止、症状をやわらげる方法として非常に有効です。

当院では、併設の運動療法室 “メディカルフィットネス135°” にて医療用弾性ストッキングを取り扱っております。

下肢静脈瘤でお悩みの方はもちろん、立ち仕事の方、むくみやだるさにお困りの方は、当院「下肢静脈瘤外来」を受診していただき、医師の指示のもと適切な医療用弾性ストッキングの着用をご検討ください。

※弾性ストッキングの着用は根治治療ではなく、使用を中止するとその効果は消失します。

全静脈麻酔について

当院では現在、血管内焼灼術 (ラジオ波)、ストリッピング術の大伏在静脈の手術について日帰りを含む短期滞在手術の麻酔は原則「全静脈麻酔(TIVA:total intravenous anesthesia)」で行います。

全静脈麻酔では、プロポフォール(鎮静作用:意識消失)とレミフェンタニル塩酸塩(鎮痛作用:痛みを抑える)をバランスよく使用し、全身麻酔管理法に準じて鎮静時の痛みと血圧のコントロールを行います。

静脈麻酔薬は全身麻酔の吸入麻酔薬と比べて、覚醒の質が高い、術後の嘔気嘔吐が少ないなどの特徴があり、またこの麻酔の影響で静脈が拡張するので、下肢静脈瘤の手術が容易になり手術時間の短縮につながります。特にプロポフォールは、眠りが速く、持続時間が短いという特徴があり、代謝が早いため肝臓への負担が少ないことも挙げられます。

以上のような理由から、当院では原則「全静脈麻酔」を推奨しています。

当院の治療方針と手術実績

治療方針

平成27年5月より、血管内焼灼用高周波(ラジオ波)治療を開始いたしました。

上記の方針は、個々の症例により変更する場合があります。

手術実績

月間手術実績(治療数)
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
高周波焼灼術(ラジオ波) 12 17 16 21 22 20 24 22 18 13 13 14
ストリッピング術 2 0 3 2 0 0 5 0 0 1 0 0
高位結紮術 1 0 0 0 0 1 1 0 0 1 0 1
硬化療法 1 2 2 2 1 6 4 5 2 4 2 4
合計 16 19 21 25 23 27 34 27 20 19 15 19
2018.4.2 更新

年間手術実績(治療数)
2017年度累計 2016年度累計 2015年度累計 3次元CT導入後の
2008年7月
からの累計
高周波焼灼術(ラジオ波) 212 203 130 545
ストリッピング術 13 17 40 219
高位結紮術 5 3 25 74
硬化療法 35 48 47 363
合計 265 271 242 1201
※高周波焼灼術(ラジオ波)は2015年5月より実施
2018.4.2 更新

下肢静脈瘤チーム

・下肢静脈瘤外来担当医 3名
  …院長、診療医長、形成外科医(非常勤)
・麻酔科医 2名
・臨床検査担当技師
・診療放射線技師
・看護師

受付時間/担当医表

受付・診察時間

午前 9:00 ~ 12:00
(受付8:30~)
午後 16:00 ~ 19:00
(受付16:00~)

担当医表

   下肢静脈瘤外来 担当医師    協力医師
  土(午前のみ)
午前 中村 石井
9:30 ~
石井   中尾 石井
(1,3,5週)
中尾
(2,4週)
堀江 堀江
午後 石井 朝倉 中尾 中村 堀江    
堀江 堀江 西本
※各診療時間は臨時休業・変更が生じる場合もありますのでご了承願います。
予約、詳細などはお電話にてお問い合わせください。(TEL:078-918-1655)

担当医

院長
石井 洋光
日本外科学会指導医/専門医
下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医 等
診療医長
中村 光宏
日本外科学会認定医/専門医
下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医 等


兵庫医科大学 形成外科 教授
西本 聡
日本形成外科学会専門医 等

掲載記事紹介

2016年(平成28年)5月9日 月曜日の神戸新聞 明石版 “健康つうしん”にて
医療法人社団 仁恵会 石井病院 院長 石井 洋光 による「下肢静脈瘤」の記事が掲載されました。

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施設認定

当院は、一般社団法人 日本外科学会の指定により、“定められた指導責任者のもとに充分な指導体制がとられている”等の条件を満たしている施設として「日本外科学会外科専門医制度関連施設」に認定されています。
日本外科学会外科専門医制度関連施設証
日本外科学会外科専門医制度関連施設証

当院は、平成27年4月に下肢静脈瘤血管内焼灼術実施・管理委員会の指定による、「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施施設」として認定されています。
また、院長 石井 洋光は、平成27年3月に、診療医長 中村 光宏は、平成28年4月に「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医」として認定されています。

下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施施設 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による実施医

下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の
実施基準による実施医 及び 実施施設

【専門医/認定医など】
日本外科学会指導医
/専門医
院  長 石井 洋光
副院長 中尾 宏司
診療医長 中村 光宏
下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術(レーザー・ラジオ波)の実施基準による実施医 院  長 石井 洋光
診療医長 中村 光宏
日本外科学会認定医 診療医長 泉 冬樹 麻酔科標榜医 診療医長 中村 光宏
日本外科学会指導医
/専門医
院  長 石井 洋光
副院長 中尾 宏司
診療医長 中村 光宏
下肢静脈瘤に対する血管内
焼灼術(レーザー・ラジオ波)の
実施基準による実施医
院  長 石井 洋光
診療医長 中村 光宏
日本外科学会認定医 診療医長 泉 冬樹
麻酔科標榜医 診療医長 中村 光宏

当院は“血管診療技師認定者”を
有する施設です

当院の臨床検査技師が、2015年11月“血管診療技師”に認定されました。

<血管診療技師について>

血管診療技師とは、「日本血管外科学会」「日本脈管学会」「日本静脈学会」「日本動脈硬化学会」4学会で構成する「血管診療技師認定機構」が認定を行ない、血管疾患(動脈硬化、下肢静脈瘤、糖尿病壊疽、エコノミークラス症候群など)とその診療に対して高度な知識と実技技術を有する医療従事者に与えられる認定資格です。
2015年9月現在では、全国で1,011人が血管診療技師の資格を取得しています。

学会発表・論文発表

「造影剤を用いない三次元CTの下肢静脈瘤診療における有用性」

Three-dimensional Contrast-less Computed Tomography for Varicose Vein Examination

著 者:宮崎 裕子,西本 聡,石井 洋光,中村 光宏 他
掲載誌:形成外科 56(3), 313-316, 2013-03

「当院における下肢静脈瘤に対する高周波焼灼術の短期成績」

第57回日本脈管学会総会(奈良) 2016年10月13日~15日

【発表者】
1医療法人社団 仁恵会 石井病院 外科,2同 皮膚科,3兵庫医科大学 形成外科
○石井洋光1,中村光宏1,泉冬樹1,中尾宏司1,堀江收2,西本聡3

【形 式】
ポスター発表

【内容のまとめ】
 当院では2006年12月から下肢静脈瘤のストリッピング術中心の手術を開始しました。
 その後、2014年6月よりClosureFASTTMカテーテルによる高周波焼灼術(以下、ラジオ波治療とする)装置による新しい下肢静脈瘤治療が保険適応となり、その治療成績と安全性が確認されたため、当院でも2015年5月にラジオ波治療を導入しました。
 今回のポスター発表では、2015年5月から2016年3月まで当院でラジオ波治療を施行した一次性大伏在静脈瘤99例113肢を対象とした短期成績を発表しました。
 結果は、ラジオ波治療は低侵襲な治療で安全に施行でき、ストリッピング術に変わる有用な治療であることが示唆されました。

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